長期放浪冒険旅行

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2007年 12月 07日

[書評]「関係の空気」「場の空気」

「関係の空気」 「場の空気」 (講談社現代新書)
冷泉 彰彦 / / 講談社




はじめに
第一章 関係の空気
第二章 日本語の窒息
第三章 場の空気~『「空気」の研究』から三十年
第四章 空気のメカニズムと日本語
第五章 日本語をどう使うか


日本語は非常に省略された使い方ができる言葉でその相手の関係の空気やその「場」の空気から肯定にも否定にも使える。この日本語に密接にかかわり、重要な要素となる空気が言葉をどのように作用させているか言語化されたのが本書。良い面、悪い面それぞれ取り上げている。

「空気嫁」(くうきよめ)と言われるくらい、「空気」が言葉を変える影響力を持つのが日本語と言ってもいいくらい強いものだが、日本語は昔から空気を使って、または読んで上手くコミュニケーションを取っていた。勝海舟と西郷隆盛の腹芸対談もその関係の空気が良く表されている例として挙げられている。

空気発生機としての日本語という考え方も面白い。少子化問題や長時間労働も空気という観点から見て原因を追究している。場の空気に入らない(入れない)人間は自然に排除されてしまうシステムとなっているという考えは共感できる。

失われた日本語というより、窒息気味な日本語を息ができるようにする提案が本書の肝で、その人との対等性が空気で覆われている社会には有効であり、対等であるにはです・ます調で伝える(丁寧語)というスタンスはわかりやすい。

より一層、空気という妖怪が支配する社会で、相手や場の関係を保ちつつ、自分の言葉を潰さないためにも空気を知り、実行するという考えを提起させてくれる良書。

         
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by endodyssey | 2007-12-07 19:03 |


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